FAMofficeをオンライン学習サービスで活用。対面での交流が苦手な利用者も参加しやすくなり、利用者の意欲増進にも貢献
パーソルダイバース株式会社は、先端ITをオンラインで学べる「Neuro Dive Online」を運営しています。利用者と運営側のコミュニケーションをとれる場としてFAMofficeを採用。FAMofficeの活用により、利用者の就職に向けたモチベーション維持などの効果が生まれたと話す同社にお話を伺いました。
パーソルダイバース株式会社
人材ソリューション統括本部人材ソリューション本部
Neurodiversity事業部 AdvancedITグループ
稲森様
亀井様
INTERVIEW
会話の機密性を担保する万全のセキュリティに安心。グループ内の基準を満たす万全なセキュリティ
――FAMofficeの導入を決めた理由を教えてください。
稲森様:当社はオンライン学習サービス「Neuro Dive Online」を運営しています。障がい者雇用は進んでいるものの、障がい者に任される仕事は単純作業が中心です。しかし、精神障害や発達障害を抱えていても高度なスキルを身に付けてキャリアアップを図りたいと考えている人もいます。そうした方に対し、AIやデータサイエンスなど先端ITの技術を学べる環境を用意するとともに、コミュニケーションの訓練などを行い、就職を支援しています。
亀井様:利用者はオンラインで受講しているため、利用者同士が一体感を感じにくいという課題がありました。そこで、一体感の醸成と、利用者と運営側のコミュニケーションのさらなる促進を目的に導入を決めました。
――FAMofficeを選んだ理由をお聞かせください。
亀井様:セキュリティが大きな理由です。当社が扱う個人情報の中には、障がいに関する情報も含まれているため、グループ内では導入する機器に対して一定の基準を求めています。その基準に合致していたのが、FAMofficeでした。例えば、第三者に会話の内容を聞かれないように会議室ロックができるので、安心して面談ができます。費用も理由の一つです。以前、他社の仮想オフィスを利用していましたが、コストが非常にかかっていました。FAMofficeは利用者数が増えてもコスト負担が大きくありません。加えて、レイアウトの自由度が高い点も魅力でした。そのため、2024年5月から利用を開始しました。
相手の表情が見えるため多くの情報を得られる
――FAMofficeの導入にあたり、利用者にはどのように周知しましたか。
稲森様:4月に体験利用を開始する際に、利用者とビデオ通話システムをつなぎ、基本的な操作方法を説明しました。今振り返ると、説明の必要がなかったぐらい、操作は簡単でした。
亀井様:運営側では、フロアのレイアウトを作成しました。就労を目指す利用者が働くイメージを持てるように、オフィスで使われるような長机を用意し、利用者がそこで勉強ができるようにしました。利用状況を一目で把握できるように、必要なスペースを用意しつつも、広くなり過ぎないように心がけました。
――現在はどのように使っていますか?
稲森様:基本的に、利用者も講師も運営側もいつでも利用できるようにしています。利用者の中には毎日来て勉強している人もいますし、面談やイベントの時だけ来る人もいます。
また、イベント開催にも活用しています。利用者は画像判断をするAIやデータ分析などの作品をつくり、学習の成果をイベントで発表します。発表を聞いている他の利用者が、つぶやき機能を使い「私もそう思いました」「いいですね」などのリアクションをとるのが流行っています。
――FAMofficeの使い勝手はいかがですか?
稲森様:話し掛けると、相手の顔が表示される点がとても良いと思っています。利用者の中には、言葉で表現するのが苦手な方もおり、言葉を選ぶために長時間考えてしまう場合もあります。表情が見えなければ、相手の状況がわかりません。しかし、表情が見えることで考え中だとわかりますし、話している時の表情から迷いを読み取れることもあり、会話で役立っています。
対面での交流が苦手な利用者もFAMofficeなら交流しやすい
――FAMoffice導入による効果を教えてください。
稲森様:学習の様子が可視化できています。高度なスキルを身に付けるため、利用者は約100時間分の講習を自分で進めていかなければなりません。学習意欲が下がる時もあると思いますが、FAMofficeに来れば勉強している仲間の姿が見えるので、その姿が利用者の背中を押してくれていると思います。
ちょっとした雑談を目当てにFAMofficeに来る利用者もいます。外のコミュニティとのつながりが少ない人もいるので、雑談できる場があることがストレス解消につながっているようです。
亀井様:FAMofficeでの会話やアドバイスをきっかけに、利用者のモチベーションが上がるケースもあります。一人で学習をしていると孤独感を覚えたり集中できなかったりするので、FAMofficeに来て気持ちを切り替える方もいます。
――仮想オフィスを利用するメリットについて、お考えをお聞かせください。
稲森様:障がい者雇用の求人も就労支援サービスも大都市に集中していますが、困っている人は全国にいます。だからこそ、こうしたサービスを全国どこでも受けられることは、社会的意義があるでしょう。
利用者の中には目的のない雑談が苦手な人もいるので、月に1回話す練習をする場を設けています。仮想オフィスは対面と異なり、サインアウトさえすればその場から離れることもできるので、参加のハードルが低いと感じてもらえているようです。
亀井様:対面の場合、口頭でのコミュニケーションが基本です。一方、FAMofficeはテキストや画面の共有で補足できるので、利用者も参加しやすいようです。
稲森様:まだ多くの企業は対面での就労が中心なので、最終的には対面でコミュニケーションがとれるようになる必要があります。しかし、最初から対面でコミュニケーションをとるのは難しい利用者もいるので、慣れてくるまでFAMofficeでコミュニケーションがとれるのは良いと思います。また、当社としても対面でサービスを提供するには、実店舗が必要となるので、すぐには全国に拡大できません。その両面を考えてもFAMofficeはとても価値があります。今後もFAMofficeを活用し、学習サービスを利用する方の支援をしていきたいと考えています。
PROFILE
会社名:パーソルダイバース株式会社
所在地:東京都港区港南1-7-18 A-PLACE品川東6F
URL:https://persol-diverse.co.jp/
※当事例は2024年7月時点の情報です。